少子高齢化社会で、誰もが直面する大問題

2014年ごろは、まだ「実家の片づけ?なにそれ」みたいな雰囲気がありましたが、2016年になり、以前に比べれば、理解もすすんでました。

 

ゴミ屋敷の問題も全国で表面化しています。

「国土交通省による都道府県への調査結果(平成26年4月)」によると、全国の空き家条例は355もあります。

今までの「整理整頓・収納系のブーム」とは、違った雰囲気があります。

実家片づけ問題の“男性化”

 

長い間、実家の片付けは、子育て、介護と同列の家事の一環としてとらえられ、多くは女性の肩にかかってきました。
今もって切実ですが、女性にとってはずっと身近な問題だったので、真新しさはありません。

ところが、核家族化と、少子高齢化に拍車がかかり、ひとりっ子、非婚者も増え、いまや3人に1人弱は「息子介護」の時代といわれるようになりました。

これまでは、女性の子育て・介護と仕事の両立に焦点が絞られがちだった、ワークライフバランス。

しかし、ここにきて、中高年の男性の介護問題と仕事の両立というテーマでも、クローズアップされるようになりました。

一人っ子同士の結婚で、お連れ合いが互いの義理の親まで手が回らなくなってきたのです。

また、男性のほうが未婚率も高いので、ひとりで両親の面倒を見ている方もいます。

そんなふうにして、「男性の介護問題」「男性のワークライフバランスの視点」という“土壌”ができたところに、ビジネス系の『週刊東洋経済』が、これまでにない“柔らか目”の「実家の片づけ」特集を組んで、出版不況の中、増刷となり、話題になったのが、2014年。

私は、「実家の片づけ」元年といえるのではないかと思っています。

さらに、ニュースだけでなく、男性読者の多い、一般向けの雑誌や週刊誌も、実家の片づけ特集を組むようになりました。

私も多くの男性誌から取材を受けました。
女性誌でよく見られる“インテリア・ファッション・生活”系の“片づけ・整理収納特集”とは、少しばかり違った趣を感じます。

かつて、女性だけかの問題とされていたパートの問題が、男性の該当者が増え、ニュースなどに取り上げらえるようになり、社会に「見える化」していきました。
実家の片付け問題も、同じ道を辿っているかのようにも見えます。
男性も問題を共有することで、「母数」が増えたということでしょう。

親の介護を経験中の団塊世代が、実家の片づけに直面

 

さらに、団塊の世代の方々がいわゆる「高齢」世代に入っていくことで、実家の片づけに悩む人の数が増えたということも、見逃せません。
数のパワーは、大きいですね。

親が亡くなってから、慌てて片づけたご経験をされた方も多いのですが、自分が介護や親の家の片づけで苦労をしたり、現在進行形の方も。

迷惑をかけたくないと思い始めた意識の高い方々も、増えてきているように感じます。

世代をこえて、親が元気なうちに、心地よい家にしてあげたいと思う人も、増えているのでしょう。

渡部亜矢実家の片づけ

片づかない「親の家」が急増中!

いずれにしても、実家の片づけ問題は、男性にとっても、女性にとっても大きいことには、間違いないでしょう。

高齢者の数が増える分だけ、片づかない家もふえてくるのです。

現実が顕在化したことで、自分の抱えている問題が、自分ひとりの問題ではない、と、気が付くだけでも、肩の荷が軽くなった方も、多いのではないでしょうか。

親の家・実家といえども、他人の家。

基本的には、勝手に片づけはできません。
暮らしている親のほうは、実はモノが多くても、当たり前に暮らしていたり、そんなに困っていない人がいらっしゃるのも、現実。

そうはいっても、子世代のほうからすれば、モノにつまずいて転ぶなどの安全面、防災面から心配だったり、本当にモノがあふれていて、衛生面の心配がある方がいらっしゃるのも、事実。
実家片付けの難しさの1つは、この親子のギャップにもあります。

でもいずれやってくる相続や空き家問題で、まずは片付いていないと、何の処分もできないのです。

ましてやマイナンバーの時代。

マイナンバーが直接的に財産とひもつけになるのは先の話であっても、親子の縁は簡単に切ることはできないのです。

まじめな人ほど悩んでしまいます。
モノを捨てれば即解決、とはいかないのです。

コミュニケーションをとっていくことが大切と言うのは簡単ですが、これがなかなか難しい…。
でも、ずっと後になってから、「こうすればよかった」「話をきいておけばよかった」と思うのも、つらいことです。

親のことを、知っているようであまり知らない子世代が、片づけを通して、親のことを理解するきっかけになればうれしいです。
「親子関係を再構築」とも言えますね。

もちろん、こう書いてしまうと、家族至上主義かというと、そういうことではありません。

あまにりも問題がある親子の場合は、離れていたほうがいいこともあるのはもちろんです。

そうした場合であっても、親子関係がうまくいっていても、片づけや介護で大変だと思ったら、とにかくSOSを行政や周りの人に出してほしいと思うのです。

実家の片づけは社会問題なので、もうひとりでなんとかできる時代ではないのです。

でも親のことをなんとかしたいという優しい人ほど、自分ひとりでなんとかしようとしてしまうので、精神的に追い詰められて、危険な場合もあるのです。

もう少し、生きやすい世の中になればいいなと思っています。
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すぐには片付かない、実家の片づけ問題。
みなさまの声をうかがいながら、お役に立つ情報を発信していきたいと、気持ちを新たにしています。

片づきますように。

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ご参考 この記事に関することは、

新刊『カツオが磯野家を片づける日~後悔しない「親の家」片づけ入門~』SBクリエイティブ、2016年4月

のあとがきに詳しく書きました。お時間のあるかたは目を通していただけるとうれしいです。

6月9日木曜 関西テレビ「みんなのニュースワンダー」で実家の片づけに関してコメントが出ます。関西の方でお時間のあるかたは御覧いただけると幸いです。

(渡部亜矢)

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