ご高齢の方のお部屋は、記念日グッズであふれていることがよくあります。
先日おうかがいしたある70代の親の家では、旅行にいったときの入場券の半券から、買ったおみやげを入れてある、どこにでもある白いレジ袋まで、すべて「旅行に行った時の物だから」という理由でとってありました。

そんなビニール袋だけでなく、ダイレクトメールの封筒まで、部屋中、袋だらけ。
でも、ご本人にとっては、すべて記念なのです。
今後着る予定のない服も、10年前に1度着た記憶があれば、記念の服となるので、捨てられません。
記念という意味付けをしているので、捨てるという発想はないのです。

別の70代の女性のお部屋も、旅行の記念小物であふれていました。
旅行先のコンビニで買ったペットボトルのお茶のレシートまで、ジップロックやクリアファイルに入れて保管してあります。

仲間や家族ととった写真も、ごっそりレジ袋やジップロックにはいっています。
袋に入れた瞬間に安心して忘れてしまい、見直すこともなく、ベッド周りにつみあげられていきます。
お土産のはいったレジ袋の色は、すでに茶色に変色しているものも、たくさんあります。

そういう「袋収納」の多いお宅では、写真のネガが大量にはいっている紙袋がよくあるのも、お約束です。

10年以上、あけた形跡はなさそう。
年月を感じます。

おみやげの小さなキーホルダーや、のみかけの薬、読みかけの本、爪切り、懐中電灯、耳かき、数本のはさみ、書けないボールペン、健康飲料と一緒に、テーブル周りのごちゃごちゃの風景となって、うもれていきます。

階段下

物は、持っている人の意味づけで、物としてそこに残されていきます。
とくにご高齢の方にとっては、すべて意味があるので、全部大事なものです。

そんな思い出小物の整理法は、とにかく、モノ別に、仕分けをすることです。

薬や医療品、
爪切りや鋏などの生活用品、
写真
文房具

というように、とりあえず分けて箱にいれていきます。

それまで捨てる物はないといっていた方でも、爪切りや懐中電灯が数個ずつあることに気づき、たいてい壊れた物を処分していただけます。

それから、写真のほかに、「思い出」「癒し系」というキーワードの分類をつくって差し上げると、仕分けがどんどん進み、小物の思い出をうれしそうに語ってくれます。
しゃべったあとは、
「これはあのときの物だけど、もういいや」
といって、処分することもよくあります。

他人の侵すことのできないのが価値観。
共感するのは難しくても、リスペクト(尊重)して片づけていくのがポイントです。
「どうせとっておきのなら、時々見直せるようにしまってはどうでしょうか」とご提案することもよくあります。
服

一度仕分けをすると、必ず床置きやテーブルの上がきれいになりますから、モチベーションも上がり、安心して片づけを進めることができます。

こんなシンプルな片づけですが、スムーズに進みます。
ご高齢の方に限らず、夏休みの子ども部屋にも応用できます。
お子さんは、お子さんで、記念の石ころ、シール、文房具に、大事だという、いろいろな意味づけをしています。
なんでこんなものをとっておくんだろうと、はらをたてずに、価値観により添いながら、仕分けをしていくのがコツです。

家族の物は、「捨てずに仕分け」が基本ですね!

渡部亜矢

 

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